鍼(はり)・灸(きゅう)
鍼(はり)・灸(きゅう)とは?
何の手当てをしなくても自然治癒力によって体調を維持している状態が、その力だけでは回復できないレベルになったときに、更なる治癒力を引き出すために経穴(ツボ)に行う機械的(はり)温熱的(きゅう)刺激を与える施術です。
ここで問題なのは、病院に行くべきか鍼灸の方があっているのかの判断をするときです。
それには鍼灸の適応・不適応のコーナーをご覧になっていただきたいと思います。
不安なときは、まず病院へ行くべきでしょう。検査の結果、異常がないとなればご本人にとってもまず一安心です。
それでも気になってしまう症状があるときは、鍼灸やマッサージが受け皿となりましょう。
ただ病院がパーフェクトでない以上に鍼も万能ではありませんから過剰な期待は困ります。
そして、特に鍼の場合は身を委ねてもらうことが1つのポイントです。
なぜなら緊張されていたり、信用していない感じでいると鍼を体が拒絶してしまうからです。
鍼の副作用では、まれに貧血を起こされる方がいますが、たとえなったとしても返し鍼という方法ですぐにおさまりますので心配いりません。
鍼は痛くありません。
ただ、電気的な「ひびき」を感じることが良くあります。
何も感じないとしても結果は同じことです。鍼を刺す深さですが、部位によって色々です。
肩部では肺の近くですので浅く(5ミリくらいまで)します。
置鍼といって5~10分刺しておいたり、1ミリ~2ミリ刺してすぐに抜くとか、灸頭鍼といって、刺した鍼の先にもぐさ(お灸)を丸めてつけて、燃やすこともあります。
鍼の太さも色々です。一番太い中国針は、自分が受けたくないタイプなので人に施術もしません。
私はなるべく細い使い捨てタイプの針を使っています。
直接灸の場合は灸痕というあとが残ります。
かさぶたになったあとは、昔のBCGのあとのような感じになります。
最初の1壮目のお灸は熱いです。
でも、だんだん慣れて、気持ちよさを感じるようになるのです。
はり・きゅうが何故効果があるのかについては血液に及ぼす影響があります。
血管を拡張して血流を増やすとか、白血球などの成分の増加、更に血中の酸性からアルカリ性への変化です。
これらの結果、細胞の活性化を促し、抵抗力というか回復力が付いてきます。
施術の強弱から興奮作用と制止作用を引き出すということです。
前者は便秘などの時に後者は神経痛などのときに有効です。
はり・きゅうの治療ですが、マッサージも施術者によってやり方は色々ですが、はりの場合はもっと個性的になっていると思います。
局所治療においては経穴(ツボ)を基本にしていますが、全身的な治療が必要な場合は脈診などから体の虚実をみて証を決め、陰陽五行の考えに基づく経穴(ツボ)を選んで補又は潟の手技を施すのです。
同じ流派に属する施術者であっても一人一人がそれぞれのやり方をあみ出しているのです。
小児鍼について
一般的には、ゼロ歳児から小学生を対象にしています。
ハリは、刺鍼用を使う場合と、棒状あるいはヘラ状、あるいはローラー状などを使用し全身を鍼でさするなどの痛くないハリです。
ツボにハリを刺さないという施術ですが、夜尿症・疳の虫・夜泣き・消化不良などに効果があります。
この小児鍼の施術は大人にも応用することは、よくあることです。